「ふぅー」 自らの手に白い息を吐きかけ、かじかむ手を少しでも暖めようとしたが、あまり効果は なかった。 手袋をはめ直すと。。 「よし、休憩終了。行こうかユゴス」 そう言って愛トナカイの額を軽く撫でてやり、わたしはソリに搭乗した。 父から受け継いだクラシカルスタイルのソリには、父さんがいかにこの仕事を勤めてきたか物語る傷がいくつも刻まれていた。 女だてらにこの仕事をしている者は珍しい。 だって、わた […]